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スマート製品4つの段階 「制御」を考えてみる

愛知県稲沢市在住の【中小企業診断士✖️IoTプロフェッショナルコーディネーター】が、ものづくりの楽しさを簡単にやさしくお伝えする《がちゃラボ》です。

以前、がちゃラボHPでスマート製品の4つの段階のうち、モニタリングや見える化の段階を説明しました。

今回は2つ目の段階である「制御」について、皆さんと考えていきたいと思います。

目次

スマート製品における制御とは

『制御』と言われて、どんなことを思いつきますか?

日常で、この『制御』という言葉が使われる場面としては、暴走するものを制御する、だとか、人の流れを制御する、といったように、”制限する”とか”抑え込む”というような時に使われます。

辞書を引いてみると、たしかに

①おさえつけて自分の意のままにすること。 「欲望を-する」

weblioより引用( https://www.weblio.jp/content/%E5%88%B6%E5%BE%A1

という意味はあるため、上記の使われ方は正解です。

一方で辞書には

② 機械・装置などを目的とする状態に保つために、適当な操作を加えること。 「運転機器を-する」 「 -装置」

weblioより引用( https://www.weblio.jp/content/%E5%88%B6%E5%BE%A1

とも記載されており、スマート製品やコンピュータ、ソフトウェア(プログラム)に関していうと、こちらの意味の方が適しています。

よって、スマート製品における制御とは、機械や装置を目的を達成するために操作すること、と言えます。スマート製品はネットワークに接続されていますので、最後の部分は正しくは『ネットワークを介して操作する』事になります。

目的を達成するために、機械や装置をネットワークを介して操作する

操作する、ということはスマート製品においては「プログラムで命令する事」ですので、ここでは次の通り定義したいと思います。

『目的を達成するために、機械や装置といったモノに対して、ネットワークを介して命令を与えて動かす』

具体的な例で考えてみよう

水門を開け閉めする装置

それでは、このスマート製品における制御について、具体的な例を挙げて考えてみましょう。まずは、水門を開け閉めする装置で考えてみます。

河川の氾濫防止や、田畑への水の供給のために川や海(、ダム?)には水門が設けられています。その水門を開けたり閉めたりすることで、水の量や流れを調整します。

先日とあるIoTシステムの展示会・商談会へ行ってきましたが、そこでも水量を調整するというシステムの展示がありました。

このシステムの場合、まずは水量や水位という情報が必要となります。川に設置されたセンサーを用いて、水がどう増えたか、あるいは減ったかを専用のセンサーを用いて計測します。前述の展示会では、水位を計測するセンサーを用いてシステムを構築していました。

次にそのセンサーで得られた情報を、無線や有線のネットワークを用いて、管制センターのような中央管理システムへ送信します。ここまでが4つの段階の『見える化』ですね。水の状態をモニタリングしてデータとして収集します。

その情報を受け取ったセンターでは他の箇所(例えば等間隔で川に設置されたセンサーたち)で得られた情報も加味しながら、今度は水門に設けられたモーターやバルブへ開く、閉じる、という命令を送ります。そして受け取ったモータやバルブが動き、水門が開いたり閉じたりします。この水門を動かすところが、『制御=コントロール』ですね。

定義に当てはめて考えると、「命令を与えて動かされた」のは、モータやバルブですね。

このように、センサーで得られた情報を元に、モノを動かす、止めるという動作が、制御されているということなのですね。他にも、温度センサーや湿度センサーのデータを用いて、農園の水の撒布を制御するだとか、圧力センサーや人感センサーで人の有無を認識して、警告ランプを点滅させる、というのもモノが制御された状態と言えます。

遠隔操作により家のドアの開閉を行う

次の例です。最近の住宅(戸建て・マンション)では、オプションとしてスマートロックというものが設置されている建物があるそうです。このスマートロックですが、制御されているものは鍵(電子鍵)です。

これは、ユーザーが外出先からスマホのアプリを用いて、家の鍵を開ける・閉める、または現在の施錠の状況を確認するということが可能なシステムです。

この場合、まずはデータとしては、ユーザーの開け閉めの要求というデータがアプリからネットワークを通じて送信されます。または、施錠されているか応答してほしい、という要求も重要なデータとなります。

それに反応して、今度は家のドアに設置された鍵、もう少し具体的に言うと、鍵をカチッと動かすためのモータやソレノイド(アクチュエータ)が動きます

このようなシステムの場合、ユーザーの開け閉めという要求を『見える化』し、鍵を動かすためのモータなどを『制御』しているといえます。

上記の例のように、見える化で得られたデータを動作に変換すること、これが制御なのかもしれませんね。

制御を実現可能にした技術分野

このように制御によって、様々なモノをネットワークを通じて操作することが可能になったわけですが、それが実現できた背景には、制御するためのソフトウェアの進化や、クラウドやネットワークの低コスト化があります。

ソフトウェア=プログラムの方はなんとなくイメージしやすいかなと思います。複雑なものも制御できるようになったのは、それがより簡単に実現できるプログラムが準備されたからです。

また、例①のような水門をコントロールするようなシステムの場合、複数のセンサーが必要となり、従来はそのセンサー毎に非常に高い料金が掛かっていました。要は、スマホの契約を各センサー毎にしていたようなものでした。

それが、ネットワーク技術が進展したことで、価格がどんどんと下がりました。これにより、たくさんのセンサーを複数繋いでも大幅なコストの増加を避けることができ、より精度の高いシステムを構築することができるようになりました。

これらの技術の進展によって、モノを制御する、という分野が進歩したのですね。

まとめ

今回はスマート製品4つの段階の『制御』についてお話ししました。外出先からスマホを使って、という製品は他にもたくさんありますので、一度調べてみると面白いかもしれませんね。

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