愛知県稲沢市在住の【中小企業診断士✖️IoTプロフェッショナルコーディネーター】が、ものづくりの楽しさをお伝えする《がちゃラボ》です。
以前、IoTが様々な業種、職場で導入され始めている、とお伝えしましたが、今回はその中で農業分野のIoTというものを考えてみたいと思います。
農業は一次産業と呼ばれIoTはその対極にあるように感じられますが、実はかなり農業とIoTって親和性が高いのです。その辺りの話も交えながら、記事を書いていきたいと思います。
スマート製品、AIと言った話も登場します!
農業に対してどんなイメージをお持ちですか?
さて、皆さんは農業に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
多くの方が上の絵のように、田んぼや畑を人の力で耕して、作物を育てて人の手によって収穫をする、と当然のように考えていると思います。
もちろん正解です。多くの農家さんは、人の手によって作物を丁寧に育て、そして美味しいお米や野菜を世に送り出してくれています。
一方で、最先端の農業の現場では下記の写真のように、、
- 農機が自動で動き
- ドローンにより肥料が散布され
- 収穫時期をAIが判断し
- ロボットにより収穫される
こういった農業が実現されようとしています。これまでの農業のイメージと異なり、自動化、省力化された農場に変わろうとしているのです。
人手不足、後継者不足が背景に
『2015年農林業センサス』によると、下記のグラフのように農業に従事する人の約50%が70歳以上であると言われています。反対に50歳未満の人は12%と非常に低い数字となっています。
農業従事者は年々高齢化しており、そしてその後を継ぐ後継者が不足していることを表しています。結果として、農業で働く人は減少し人手不足となります。
ニュースでも良く報道されていますし、皆さんの認識とも一致しているのではないでしょうか。
このように働く人がいなくなるということは、農業の衰退に繋がるということであり、それを食い止めよう、そして更に発展させようということで、スマート農業(スマート製品を使った農業)の研究・開発が活発に行われているのです。
国や農水省による施策
この人手不足、労働力不足という問題に対して、国や農林水産省は技術革新によるスマート農業を推進しています。
これは、従来の農業の技術(農機の操縦、匠の技、栽培管理など)と、先端の技術(IoT、AI、ロボットなど)を有機的に組み合わせることで、超省力で高品質な生産を実現する事を目指しています。
下記は農水省が描くスマート農業のイメージの一例です。
冒頭でお話しした通り、コンバインや田植え機などの農機が自動で動き、IoTによって農地の状況が管理されます。そしてドローンで肥料を撒き、生育状況をIoTを活用して取得し、最適な時期にロボットで自動で収穫する。これまでの農家の知見と最新の技術を融合したような農業をイメージしているということですね。
ただこれはほんの一例であって、今後の技術革新により、様々な仕組みや設備が開発されていくと考えています。
農業とIoTの最初の一歩は、もっと簡単に実現できる
ここまでは、ロボットであったりAIであったりと、最新の技術やスマート製品等を活用した非常にスマートな農業、いわば未来の農業の姿のお話をしました。ですが、ここまで実現しようと思うと、時間もお金も掛かります。
ただし、ここまでの設備やシステムを導入しなくても、もっと簡易で安いシステムを使って生産性を高めたり、省力化することは可能です。
例えば、ラズベリーパイ(Raspberry pi)と呼ばれる小さなコンピューターと数百円のセンサーを用いて、離れていながらに温度や湿度を計測することが可能です。
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非常に多くのデータを使い最適な生育環境を作り出す必要がある農業においては、このデータを集める事が非常に大変で、これまでは人の経験に頼った部分が多かったと思います。
これに対し、最初に「農業とIoTは親和性が高い」と書いたとおり、簡単なIoTのシステムを導入することで、労力を掛けずにデータを収集することができるようになり、また誰でも同じように水や肥料を与える事ができるようになります。
扱うデータが多いということは、それだけIoTの登場場面が多くなり親和性が高い、といえると考えています。
お金を掛けなくても、工夫次第でより快適な職場環境を作り出せるということですね。
さいごに
今回は農業×IoTというテーマを扱いました。自作で作物の仕分けシステムを作り出す猛者もいるような分野であり、本当に知恵と努力で安くそして効果的なシステムを作り出すことができます。
将来的な日本の農業の姿を思い描きつつ、身近なところから始めてみるといいかもしれないですねー。
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